電動ブロワーで庭用サイクロン掃除機を作る

概要

落ち葉が多い時期、庭の掃除をするときに電動ブロワーが役に立つ。落ち葉を吹き飛ばすのは得意だけど吸い込むのは苦手らしく、付属の吸い込み用アタッチメントは役に立ったことがない。

落ち葉を掃除機のように吸い込むことができると便利な気がしたので、電動ブロワーの吸引力を利用した庭用のサイクロン掃除機を作ってみた。そこそこ吸引力があるので、工作用など他の用途でも活用できそう。

肩掛けベルトで肩にかけて使う
試しに落ち葉を回収

スポンサーリンク

詳細

1.材料を集める

ウチにはホームセンターの特売で買った300Wの電動ブロワーがある。大きさの割には吹き飛ばす力が強く、庭掃除の際には落ち葉や塵を残らず吹き飛ばしてキレイに仕上げることができる。

最後、1カ所に集めた落ち葉や塵をゴミ袋に回収するのが大変なので、吸い込んでくれるとありがたいが、吸い込み用アタッチメントを付けても吸引力が弱く使えない。そもそも口が小さすぎるので落ち葉には向いていない。

ブロワーの中を調べてみると吹き出し口は1カ所だけど、吸い込み口はパイプを付ける口以外にモーター冷却のための風の通り道があり、吸い込む力がモーター側に逃げているのがわかった。

羽根の奥のモーター側に穴が開いている
モーター側の吸い込む力も合わせて吸い込めるようにするには、全体を何かで囲って、吹き出し口だけ外に出すようにすればよさそう。百均にフタ付きで丁度よさげなバケツが
あったので購入。落ち葉回収用としても同じバケツを活用。

四角いけど大きなバケツを2つ購入
吸い込み口は落ち葉の大きさを考慮して大きくしたいが、あまり大きすぎると真空度が下がって吸い込む力が弱くなるので、75mmの塩ビパイプを活用。パイプは1mもあれば十分だが、パイプを下に向けるのと取り外し可能とするために、45°のエルボも購入した。

サイクロン部分の部品は市販品もあるが、直径はパイプ径の3倍くらい欲しい。こちらも百均にフタ付きで丁度よさそうなバケツがあったので購入。

フタがピッタリ閉まる

2.バケツを加工する

一般的に接着が困難なポリバケツ同士の接着となるが、サイクロン部分のバケツと落ち葉回収用バケツのフタを接着する。半田ごてのコテ先セットに入っていた切断用コテ先を活用して、落ち葉回収用バケツのフタとサイクロン部分のバケツの底に穴をあけた。

数回なぞるだけで貫通する
2つのバケツは同じ材質(ポリプロピレン)だったので、廃材をハサミで細く切って溶接棒として活用。何かと役立つヒートガンで溶接してみた。

仕上がりは汚いがしっかり固定された
次はサイクロン部分のフタとブロワーを収納するバケツの底に穴をあけ、15cmほどに切った塩ビ管で繋いでみた。ポリバケツと塩ビパイプを溶着できないかヒートガンで試したが、材質が異なるのでうまくいかなかった。

バケツだけが溶けて穴が広がってしまう
仕方ないのでグルーガン(ホットボンド)を使ってみたところ、そこそこの強度で接着できた。割と粘着しているので簡単には剥がれないと思うが、強い捻りで剥離するので、後からズレが生じないよう4か所ネジ止めした。

見た目は悪いが強度は十分
次にブロワーを収納するバケツに、ブロワーの吹き出し口の穴をあけた。ここから排気した分、サイクロン部分から吸気する。フツーにブロワーとして使うときにはココからブロワーが外せないと困るので接着することができない。

切りカギ部分は後からビニールテープで軽く塞いだ

3.サイクロン部分を作る

サイクロン部分の中で風がクルクル回るように、75mmの塩ビパイプを取り付ける。溶着は無理なのでグルーガン(ホットボンド)で接着するが、できるだけバケツの表面に合わせて塩ビパイプを切った方が接着しやすいので、即席バンドソーで丸く切断した。

バケツの側面を描いたダンボールをパイプにクリップ止め
曲線を楽しく切ることができる
バケツに半田ごてで穴を空けてグルーガン(ホットボンド)でパイプを接着する。パイプの付け根になるので、厚めにボンドを盛って、ズレないよう後からネジで補強した。

少し中に突っ込んでのりしろ部分を確保した
こんなふうにエルボで繋がる
バンドソーで切断した片割れは、なんとなくパイプにハメるとイイ感じに見えたので、そのまま活用することにした。

ズレてくるので塩ビ用接着剤で固定した方がよい
サイクロンの中心のパイプは真下ではなく側面から吸気したいので、側面にドリルで無数の穴を空けて、底の方は丁度良い廃材をグルーガンで接着してフタをした。

穴の位置がランダムだと雑に見える

4.組み立てて試運転

強度が弱そうな部分を手元にあった3mmのビス・ナットで補強しながら組み立てた。

接着部分がねじれないよう補強
ブロワー収納部はコンセントが有った方がよいので、延長コードを組み入れてからブロワーをハメた。

置いただけの状態だが隙間が無いので安定している
四角いバケツはフタの密着度が甘かったので、パッキンのようなモノが必要と思っていたが、ブロワーを回すと負圧でピッタリ密着したのでそのまま使えた。サイクロン部分はフタが外れると面倒なので、3mmビス・ナットで6カ所固定した。

潰れないよう緩めに締めた
四角いバケツの取っ手はそのまま活用できるが、地面に接するパイプが長くてとても持ち歩きにくい。子供が小さいころ作ったスリングの部品が残っていたので、バケツの取っ手に引っ掛けて余っていた肩掛けベルトを装着した。

捨てずに残していたのを思い出した
あとは塩ビパイプをエルボにハメて電源を繋ぐだけ。ブロワーをバケツの中に入れた結果、ブロワー本体のスイッチは操作できなくなったので、別途スイッチが有った方が便利。

落ち葉は下のバケツに大人しく溜まっていた
冒頭の動画では、逸る気持ちでその辺の落ち葉を適当に吸ってみたが、実際の利用シーンとしては、かき集めた落ち葉をキレイに回収するのと、落ち葉が混ざり込んだ砂利の中から落ち葉を吸い取るときだと思われる。アタッチメントを準備して、工作用の集塵機としても活用できそう。

スポンサーリンク