200円のD級アンプが使える

概要

サンスイのアンプAU-D607Xを直してスピーカーから音が出せるようになったが、長時間つけっぱなしという、時代に反した使い方に負い目を感じるようになってしまった。D級アンプだと消費電力が少ないだろうと思い、試しにD級アンプIC PAM8403が乗った200円のアンプを買ったところ、意外にもハマってしまった。

マウスのようだがアンプ。
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詳細

1.気になる消費電力を調べる

サンスイのアンプAU-D607Xを直してから、部屋にいるときはほぼ音楽を流しっぱなし、当然アンプはつけっぱなしという状況がしばらく続いた。たぶんAB級のアンプだと思うので、小さな音を出していても常に電気を消費しているはず。気になったので測ってみた。

無音状態で32W。

オーディオマニア的見方をすれば「低く抑えられている」と言えるかもしれないが、「6WのLED照明を5個つけっぱなし」と考えると、このままではよくないと感じてしまう。

2.省電力のアンプを探す

D級アンプだと高効率で使う電気も少なくて済む、というのは知っていたが、D級アンプも進化を遂げ、迷惑なくらい小さいIC1個で3W×2ch出力、ボリューム付き(しかもスイッチ付き)の基板が送料込みで200円しない時代となっていた。とりあえず購入する。

中国からの出荷なのに、注文して1週間で届いた。


安く手に入るのは良いが、以下のような制限があるので気を付ける必要がある。

 1.基板に印刷されているrout、loutの+と-が逆。InputのBはRを表しているらしい。
   ⇒わかっていればよいので問題ない。
 2.何も対策せずにそのまま使うと激しいポップノイズに驚く。
   ⇒低音がよく出るスピーカーだと我慢できないかもしれない。
 3.PAM8403にはポップノイズ対策用のPINがあるのに、このままでは活用できない。
   ⇒Active LOWなのに電源の+に直付けされていて、とても残念。

一番右の「B」を見て、ある意味納得。

3.組み立てる

早く試してみたいが、あまり考えていなかったので実装するケースがない。使えそうなプラスチック素材を見つけて有効活用する。

壊れたマウスと洗剤付属の計量カップの二択。マウスにした。

使えそうなケーブル類をかき集めて、組み立てを始める。

完成した基板なので、作業は穴あけ、組み立て、結線くらい。

古いインターホンについていたJEM-A端子などを再利用。

思ったよりマウスの中は狭くて難儀した。

4.試聴

一通り組みあがったので試聴してみる。スイッチ付きボリュームを回すと「ボツッ」と激しいポップノイズ。小さなスピーカだと「プツッ」くらいで我慢できるかもしれないが、大きなスピーカーだと心臓に悪い。
スイッチを切ると、入れるときほどではないが「ボビッ」と大き目なノイズが出る。PAM8403にはミュートとシャットダウンのPINがあるのに、活用できていないのは残念。

スイッチを回すだけで「ボツッ」「ボビッ」とにぎやか。

しかし、音を出してみるとそのギャップに驚いた。「お任せください。いただいた音源は速やかに再生します。」と言わんばかりに、そつなく忠実に再生している。面白味はないけど、正確に再現しているという感じ。さすがにフルボリュームだと音が割れるが、スマホの充電器(5V)を電源とし、それをすべて音にするとこんなに大きな音になるのか、という驚きを感じた。

あのICから出ているとは思えない、しっかりした音。

ちなみに100均で216円で買ったスマホ充電器を電源にすると無音時でも「ムー」って雑音がする。HTCのスマホについていた充電器だと雑音は聴こえない。気になる消費電力はというと、つけっぱなしでも気にならないくらいに減った(らしい)。

10倍モードでの測定も試みたが、精度が足らず測定不能。

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