概要
靴を洗ったり、庭いじりするときに使えるガーデンシンクが欲しいという要望があったので、ウッドデッキの廃材を活用して作った。
正確にはベランダ下シンクだけど、雨は降りこむし、風にもあおられるので、屋外用で作る必要がある。
以前も同様のシンクを作っていたが、見た目、耐久性、使い勝手を改善するために、今回はIKEAのシンクとカラートタン(平板)を活用した。
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さっと拭くだけで、そこそこキレイになる |
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収納の方が主目的か?明らかに詰め込みすぎ。 |
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手順
1.過去の反省とアバウトな設計
以前、ミカゲ石調の樹脂製のシンクを使っていたが、ブロックの上に置いたままだと使いにくかったので、立って使えるシンクを作った。やがて、子供が習字道具や画材をここで洗うようになり、恐ろしく汚くなってしまった。
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夕方だったせいもあり怖く撮れてしまった |
1つの立水栓から、シンクの蛇口、散水ホース用蛇口、水やり噴水用の3つに分岐させていた。
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1つの立水栓を3分岐していた |
過去の反省から、シンクはステンレス、天板と側面はカラートタン(拭けばきれいになる)を活用する前提で考えてみた。
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幅250cm、高さ95cm、奥行き50cm程度の予定 |
庭収納流し.xlsx
↑Googleスプレッドシートで開かずにダウンロードするとExcelで開けます
2.材料の調達
通販やホームセンターなど多方面でシンクを探したが、「ステンレス製、シンク部分のみ、リーズナブル」となるとIKEAのシンク一択となった。店舗で買えば、シンク2,900円、排水セット2,000円の4,900円だけで済む。
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使える排水口があれば、右の排水セットは不要 |
天板、側面、扉をカラートタン(平板)で覆う場合、1,800mm×900mmのカラートタンが3枚必要になった。コイル状に巻かれた状態で買ってこないと、とても運びにくいし危ない。ホームセンターで買って自分で運ぶと1枚2,000円しない。
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ゆるく巻かれた平板(写真左端)は運ぶときにたくさん傷がついた |
3.骨組みを作る
ブロックを縦、横で敷き詰めて奥行き60cm弱のシンク置き場を準備した。土台は「だいたい水平」くらいなので、ウッドデッキ作りと同様に足の部分に基礎パッキンを置いて、現物を合わせながら水平を出していく感じで作り進めた。
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廃材を現物に合わせながら切断、組み立て |
右奥の方は排水パイプや立水栓があるので、設計図通りには作れなかった。強度さえ確保できれば臨機応変に。
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だいたい骨組みができた |
4.天板を取り付ける
天板はカラートタンで覆うので、安価なのに反りが少ないOSBボードを50cm幅に切ってネジ止めした。シンクを合わせてみたら、このままではハマらなかったので骨組みをジグソーで広げた。
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行き当たりばったりである |
フツーにシンクが入る穴を天板に開けて「カパッ」とはめると、シンクの縁の部分が邪魔で、横に飛び散った汚水を手や雑巾で「シャーッ」とシンクに流すことができない。(できるデザインのシンクもあるが高価だった)
なので、盛り上がっている縁の部分を天板に埋没させるよう、トリマで溝を彫った。
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木くずが激しく舞うので掃除機が必須 |
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フリーハンドなので隙間が目立つが、深さはピッタリ |
5.カラートタンを貼る
カラートタンは金切りばさみでサクサク切れる。今回初めて使ったのが「つかみ箸」という工具。これでカラートタンをつかみながら「くいッ」て曲げて加工するといろいろできるらしい。
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曲げ専用の工具があるのを初めて知った |
端の部分を内側に折り込んだり、角の部分を予め折っておくと、骨組みに簡単に合わせることができた。
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掴んで折って、掴んで折っての繰り返し |
カラートタン用の釘(簡単に平板を貫通する)で適宜止めていくと、まるであつらえたように形ができていく。(あつらえたから当たり前か)
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素人さんの仕事である |
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幅が250cmあるとけっこう広い |
6.シンクを取り付ける
シンクをはめるためにカラートタンに穴を開ける。シンクの縁を天板に埋めることにしたので、穴のズレを隠すことができない。穴の位置は外せないので、天板のシンク穴の裏側からスプレーで色を塗って位置を決めた。
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意外にも穴の位置を決めるのに苦労する |
穴の位置が決まったので、金切りばさみでサクサク切る予定だったが、曲線だと全然進まない。それ以前に、力不足で穴を開けた場所から切り進めるのが困難。
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いきなりくじけてしまった |
仕方がないので急遽ホームセンターにハンドニブラーを買いに行った。子供のころよく使っていたが、ホームセンターの係りの人も知らないレアな工具だったらしい。曲線用の金切りばさみの購入も考えたが、内側への曲がりをうまく切れるのか不安だったので、Amazonの「お急ぎ便」で安いものを調達。
ホーザンのハンドニブラー(ちょっと高い)と違い、この二ブリングツールは一直線に切ると切り口に自分の頭が引っ掛かり、なかなか捗らない。右、左、右、左と少しずつ方向をずらしながら切り口の幅を広めに「パン、パン」と進めていくと捗る。
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ぎりぎりの部分を切ることができた |
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カラートタンをボンドG17で貼り付け |
穴が開いたので、やっとシンクの取り付けまで進んだ。縁の部分はビニールテープでマスキングして、アイボリーのシーラントでコーキングした。
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しつこく何度も撫でるより、サッと一発で均した方がキレイに仕上がるみたい |
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テープは半日ほど待ってから剥がした方がいい |
7.上下水道を付ける
シンクが付いたら水道管を通す穴を開けて、給水栓ソケットをシーラントで固定する。
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ノミと金づちでカラートタンに穴を開けてからドリルで穴あけ |
排水管も取り付ける。IKEAの排水管セットはシンク下に多くの空間ができるよう、よく考えられていた。
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説明書通りに取り付ける |
今後の拡張を考慮して1本の立水栓から5本に分岐させた。シンクの蛇口、散水ホース用の蛇口、昔使っていた噴水用の蛇口、予備2つ。予備は自動散水器で使う見込み。
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リアル水道管ゲームと言われた |
8.扉を作る
カラートタンを曲げて扉を作る。4枚作るので、ひたすら「つかんで、曲げる」の繰り返しである。
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どんな折り方が良いか、試行錯誤である |
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だんだん適当になってくる |
カラートタンは薄いので、そのままで強度が足りなかった。安い杉荒材を適当な大きさに切断して、余っていたシーラントで扉の裏に貼り付けた。
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少しは強度が増した |
いつか使うだろうと買いだめしていた100均のスライド丁番と、いつか使うだろうと買っていた処分特価品の取手が活用できた。
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10年ほど前に4つ購入 |
スライド丁番がインセット、半かぶり、全かぶりとバラバラだったが、柱を削って調整したらいい具合に収まった。
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棚板は塗装コンパネ、裏の方はプラダンでフタをした |
扉の固定はマグネットキャッチに頼ろうと思ったが、風であおられないようにするには8か所付けた方が良いようなので100均の強力磁石を活用した。骨組みに少し穴を開けてボンドで磁石を固定し、扉には金具(鉄板)をネジ止めした。台風が何度か近づいたが、今のところ大丈夫みたい。
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カラートタンは磁石が付くので何かと便利 |
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