W204のコマンドコントローラを修理する

概要

W204(ベンツのCクラス)のCOMANDシステム(カーナビ)のコントローラのダイヤルが効かなくなった。
運転に支障が出るわけではないが、カーナビの地図の縮尺がコレでしか操作できないので、地味に困るのである。

調べると、ダイヤルのシャフトが折れてしまう定番の不具合だそうだが、メルセデス・ベンツ正規ディーラーにお任せすると、ユニット交換で4万円以上かかるとか。
最近、強度が求められるプラスチック部品を修復する方法を知ったので、折れたシャフトのみ修復し、ダイヤルが効くように修理した。

追記)3年経ったらまた折れてしまった。当時高価だった対策品が安価に売られていたので購入。最後のほうに追記。

※DIYで修理することをお勧めしているわけではごさいません。
シャフトが折れやすいコマンドコントローラ

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手順

1.補修材の入手

国産新車が買えず、中古の外車を買った人としては、折れたダイヤルだけのために4万円はありえないので、自分で修理することにする。

一番安上がりなのは、100均でネイルアート用として売っている「クレヨン」という銘柄のアクリルリキッド、アクリルパウダーの活用だけど、ダイソーやセリアではない100均で売っているそうで、近所では見つからなかった。

楽天でも同じモノが売っていたが、単品で入手すると送料の方が高くなる。
千円ちょっとするが、プラリペアが手に入りやすい。アクリルリキッド、アクリルパウダー、スポイト、全部揃う。

急いでいないのであれば、AliExpressで注文するのも1つの方法。2~3週間かかるが、アクリルリキッドは量が多い割に安価なのが魅力。

AliExpress.com Product - 75ML Professional Acrylic Liquid Monomer False Acrylic Nail Art 120ml Salon Tool Manicure Nail Art For Acrylic Powder Dust Nails
今回、AliExpressで注文したが、何かのトラブルが有ったのか1か月以上かかり、しかもアクリルパウダーは空っぽの状態で届いた。(後日、律儀に返金してもらいました。)

なぜか元旦に届き、パウダーが空っぽ
さすがにもう数週間待つのは耐えられなかったので、Amazonのお急ぎ便でパウダーのみのプラリペアを注文した。

元旦に注文したら、二日に届いた。ありがたい。

商品のサイズの割にはハコが大きい

2.コマンドコントローラを外す

コマンドコントローラの脱着、分解にはトルクスドライバーが必要なので、なければコレも入手する必要がある。数種類のビットのセットがあると、何かと重宝する。

外し方は以下の動画を参考にした。
Mercedes W204 C Class Remove Replace Scrolling Knob Wheel COMAND Command Console Control

同じように外せる気満々でコントローラをグッと引きずり出すと、見事に配線が引きちぎれてしまった。

この辺りまでは順調だったが..
強く引っ張ると配線がちぎれてしまった
以下の動画のように側面から手を入れたりして配線を外す必要があったらしい。後の祭りである。
Mercedes W204 C-Klasse Comand Controller Knob ausbauen TM-Parts

3.コマンドコントローラの分解

これも後から知ったが、以下の動画が参考になる。要領を得ずに分解して一部部品を破損してしまい、余計な手間がかかってしまった。
Mercedes W204 W212 C E Class Repair Scolling Knob COMAND Console Control Wheel Command

機能の割には部品の点数がとても多く、分解するのに時間がかかる。

ネジの数がとても多い
コントローラのダイヤルを外すのも一苦労である。

マイナスドライバで少しずつ輪っかを浮かす
3つの部品を外すと..
やっとダイヤルを固定するネジが現れる
ダイヤルを外すと、フタが外せるようになる。

折れたシャフトが現れるまで先が長い
カチッとはめてあるプラスチックの部品を外さないと基板が外せないので、1つ1つ引っかけてあるツメを浮かせながら外していく。

ツメを浮かせながら部品を外す
要領を得ずに無理に部品を外し、基板の部品を破損してしまった。先に参考動画を見ていればこんなことにならなかったのに、と後悔した。

センサー部品が1つ破損してしまった
欠けた部品は元の場所にハンダ付けした
ついでに引きちぎってしまった配線を結線しやすくするために、長めのフラットケーブルに交換した。

勉強不足に伴う余計な作業である

4.折れたシャフトの修復

やっと本来やりたかった折れたシャフトの修復に取り掛かれる。

どう見ても折れやすい構造
初めてアクリルリキッドとパウダーを使ったが、思うところに盛るには慣れが必要だった。とりあえず、ビニールテープで仮止めしてから開始。

こんな感じに付いてくれればよい
パウダーにリキッドを少し垂らして、できた塊を盛っていけば良いそうだが、塊がシャフトにうまく馴染まず、なかなか捗らない。
塊を乗せた後、リキッドを染み込ませるように追加してやると、いい感じに馴染んでくれた。

数分待つと、しっかり繫がった

5.元に戻して動作確認

バラバラにした部品を組み上げていく。カチッ、カチッとプラスチックの部品をはめて、順序を間違えずにシャフト周りの部品をはめていくと簡単に組みあがる。

複雑な作りである
余計な手間はかかったが、シャフトの修復は完了
引きちぎってしまった配線4本を繋ぐ。このケーブルは常時電圧がかかっているので、ケーブルの根元のソケットを外してから作業しないと危ない。

1本ずつ絶縁テープで巻く
ダイヤルの傾きを検知するセンサー部品を破損させてしまったので、8方向のスクロールが機能するか心配だったが、ダイヤルを操作すると8方向とも正常にスクロールできた。
もちろん、ダイヤルを回して地図の縮尺を変える機能も復活した。

手間はかかったが問題は解消

3年後追記)

プラリペアは頑丈と言えど、折れやすいシャフトが折れてしまったのを、元の折れやすいシャフトに戻しただけなので、3年使っていたらまた折れた。接着剤でここまで持ったのは凄いと思うが、やはり折れてしまうと困るのである。

残念な部品である
調べると、3年前には高価(8,000円くらい)で手が出なかった対策品が、今だとAmazonのプライム商品でも1,000円しないで売られていたので、これだとプラリペアより安価。

更に、Aliexpressだと送料含め400円程度で売られており、2~3週間待つことになるが全く急いでないのでこちらで購入。

↓サンプルとしてのリンク。探すともっと安いショップがある。

きっちり3週間かかって中国から対策品が届いた。金属になったので、恐らく廃車になるまで折れる心配はないと思う。

最初からこうなっていればよかったのに
前回、コマンドコントローラーを取り出すときに配線を引きちぎってしまったので、同じ失敗をしないように気を付けた。

前回はコネクタから線を抜かずに取り出してしまった
今回は配線を切らずにコマンドコントローラーを取り出すことができたが、戻すときに配線を固定していた金具をなかなかハメることができず、残念だけど諦めてしまった。

なくても走行に支障はない
リンク)W204の整備まとめ

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