エアコンの室内機を分解掃除する

概要

15年前に設置した富士通のインバーター冷暖房エアコンAS50PPE2が、冷房運転中に送風口付近から水が垂れるようになった。長年のホコリの影響で吹き出し口の右端部分からは全く風が出ていなかったので、水が垂れる原因特定を兼ねて室内機を分解掃除した。

原因特定には至らなかったが、結果として水垂れは解消し、吹き出し口からは驚くほど強い風が出てくるようになった。
※DIYで室内機を分解掃除することをお勧めしているわけではございません。
へんなところから突然「ポトトッ」と水が垂れてくる
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詳細

1.分解する

13年目でガス不足のため調子が悪くなり、ガスチャージして延命した富士通のAS50PPE2が、15年目になるここ最近調子が悪いらしい。室内機の中から「ジジジッ」って変な音がするとか、猛暑日だといつまで経っても冷えないとか、いきなり水が垂れてくるとか。

一度は延命しているので、そろそろ買い替えかなぁと思ったが、今まで一度も中を掃除したことがないのに気が付いたので、分解掃除することにした。

普段の掃除ではここまでしかお目にかかれない
今回もネットの恩恵はありがたく、YouTubeで分解手順を事前に知ることができたので、力業に伴う部品の破損を避けることができた。(↓型番は異なるが同時期の機種)
エアコン分解シリーズ 『富士通ゼネラル』エアコン「AS22NPE」分解できる?

分解の方法は動画でとてもわかりやすく解説されているので、思ったことだけ記載。

ルーバーのカギの角度が上下で異なる
少し浮かせるとカバーが外しやすくなった
動画で見た通りにサクサクとカバーを外すことが出来ず、何度もガコガコ揺すりながら外した。

ウォータープライヤーの力を借りた
室外機に繋がるコードがとても固く、白い出っ張りをドライバーでギュッと押しても抜ける気配がなかったので、コネクター部分を一旦外してからコードを抜いた。

ここだけインパクトドライバーを使って外した
熱交換器に繋がっているアース線の固定ネジが錆びており、ドライバーで外そうとすると根元の方がグニャって曲がる。インパクトドライバーで「カカッ」と回すと素直に外れた。

手順がなかったらこのネジの存在に気付かず破損させたかも
ファンとモーターが乗ったドレンパンを外すには、繋がったままの配管を少しずらして隙間を広げる必要があった。隙間を作るには、一旦室内機を壁から外すので結構力が必要。

配管に引っ掛かってドレンパンが下に降りてこない
ここまでバラせたら後は楽

2.熱交換器を掃除する

室内機の掃除についてネットを見てみると、洗剤は中性でないと部品が腐食するとか、アルカリ性でないと汚れが取れないとか、中和剤を使う必要があるなど、意外と奥が深い。
買い換えて然るべき年代のモノなので、手元にある洗剤を活用した。

弱アルカリ性のお風呂用洗剤を活用
ホントは熱交換器も外して、風呂場でザブザブ洗いたいところだが、配管が外せないので壁に掛けたまま洗浄する。汚水が飛び散らないよう養生する必要があるので、園芸用の余っているビニールシートを適当に貼って、洗面器に汚水を溜めるようにした。

壁に貼ったクラフトテープがすぐにはがれるので泣きそうになる
熱交換器の洗浄に、20年以上前に使っていた園芸用の散水ポンプを活用した。フツーに散水ホースを引き込んだ方が、効率がよく洗浄できたと思われる。

パッキンの具合が悪かったのでいちいち直して使った
園芸用の散水ポンプでは熱交換器のフィンの隙間のホコリを除去する勢いがなかったので、洗剤を吹き付け、ペンキ用のハケでなでながら散水した。

ホコリが黒い粒になるので、押し込まないようになでる
手前側の熱交換器は問題なくホコリを除去することができたが、奥側の熱交換器を洗浄するには一旦壁から外さないと難しかった。片手で熱交換器を抱えながらハケでなでることになったので、雑な洗い方になってしまった。

汚した壁は後から拭く
思ったほどの黒さはない
弱アルカリ性の洗剤を使ったので、散水ポンプで満タン5回分(10Lほど)の水を吹きかけて洗剤成分を流した。

3.その他の部品を掃除する

熱交換器以外はバラして洗うことができるので、バラしてから風呂場に持っていく。

ホコリで詰まっているようには見えないが..
周りの形状により、吸気側と送風側が出来上がるクロスフローファンの仕組みがピンとこないので説明できないが、ファンに付着したホコリの影響で右側は全く風が起こせなかったらしい。

お風呂の洗剤1本使い切った
洗剤を付けてからしばらく放置したが、浮きだしてくるような汚れではなかった。ハケを使ってカビとホコリの汚れを削りながら洗った。

膜を一枚削り落としているような感じ
ファンから際限なく黒い汚れの粒が出てくるので、キレイになるまでしつこくすすいだ。

なかなかキレイにならない

4.組み立てる

ざっと乾かしてから元通りに組み上げる。よく見るとまだ汚い部分が残っているが、まずは熱交換器とファンのホコリが除去できればよい。

キレイになった部品を軽く拭き上げる
ファンの軸受け部分は油を塗った方が良いと思われるので、グリースメイトを吹き付けた。

擦れる部品はこれくらい
クロスフローファンをモーターに取り付ける際には、ファンを回してみて擦れるところがないことを確認する。

右に寄せすぎると擦ってしまう
配線は間違う部分がないので、忘れずに結線すれば問題ない。

ほぼ挿すだけなので楽
ドレンパンに繋がるドレンパイプを固定していた金具のネジは、外すことはできたが付けることはできなかった。横から回せるドライバが有れば付けられそうだが、パイプが外側に抜けることはないので、ネジ止めは省略してパイプを押し込むだけにした。

この状態でネジ止めすると水が降ってきた
試運転すると風がすごい。今まで「ダッシュ」にしても部屋の隅まで風が届かないくらいだったので、ネットで表現されていた「テーブルの上の空きペットボトルが吹き飛ぶくらい」の風量になったのには驚いた。

ダッシュじゃなくてもすごい風量
結果として変なところから水が垂れる原因はわからなかったが、水が垂れることはなくなったのでよしとする。

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