廃材を活用して即席バンドソーを作る

概要

スティック掃除機の充電台で壁掛け式のモノが欲しかったが、合うものが売ってないので作ることにした。木で作ると少し手の込んだカットが必要になるので、ネットに「バンドソー」という、めんどくさいカットが楽しくできる工具の自作例が複数有ったのでマネして活用した。

廃材や有り合わせの材料を活用し、細部に拘らず即席で作ったが、壁掛け式の充電台を作りたいという要件を満たすことができた

シンプルだが思い通りに木が切れる
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詳細

1.部品を調達する

木材にややこしいカットを施すのは面倒なので、「3Dプリンタを買う機会が来たか」と思ったが、メーカー品の充電スタンド(充電台も含む)が新品で16,747円、メルカリだと3,500円程度で売られているのを見ると、充電台を作るための3Dプリンタ購入は気が進まない。

YouTubeで、めんどくさそうなカットが楽しくできるバンドソーという工具を楽しそうに作っている動画をいくつも見かけた。「バンドソー 自作」や「Homemade Bandsaw」で検索するとたくさん見つかるが、中には手持ちのドリルを動力源にしたものもあり、安価に出来そうなのでマネをする。

もちろんメーカー品のバンドソーもあるので、本格的に活用するのであればキチンとしたものを購入するのが望ましいが、今回本格的ではないので、細かい加工に向いてそうな替え刃だけ購入。


回転部分はベアリングを使った方がよさそう。近所のホームセンターでも売っていたが、Amazonだと20個で1,000円せずに売られていたので、余るのをわかって購入。見事に10個余った。

それと、近所のホームセンターで200円しない8mm径の全ネジ1m(寸切ボルトと呼ぶらしい)と、それに合うボルトとワッシャーを10個ほど購入。
↓こんな感じのネジ
鋸刃のアサリが潰れないよう、2つのプーリー(車輪)の周りにゴムを付けるべきだが、付けていない事例も有ったので後から考えることにした。あとは手持ちの材料(余り物や不用品)の範囲で作りたい。

2.プーリーを作る

バンドソーで求められる精度と言うのか、プーリーを真円で作り、且つ、軸を真ん中に、垂直にしっかりと付けることが出来れば、他は調整でなんとかなることが判った。逆に、それができていないとフォローが難しい。

直径20cmで円を切る準備
バンドソーを走らせるプーリーにするには、厚さ12mmの合板だと2枚重ねが必要みたいなので、同じ大きさの円を4つ切り出す。動画ではいろんな方法が紹介されていたが、トリマーが使いたかったので円を描く治具を適当に作って4枚切った。

切断面がバリバリなので、100均のナイロンディスク(200円商品)で仕上げたら、そこそこなめらかになった。

削りすぎず丁度良かった
何年も使われずに残っていた木工ボンドをタップリ塗り、クランプで挟んで乾かした。意外と合板がたわむようで、最低でも4か所はクランプで挟まないと隙間が生じてしまう。

クランプ2つじゃ足らなかった
軸となる8mmの寸切ボルトは直径8mmないので、素直に8mmの穴を開けると隙間が多くてグラつく。しかも中心に、垂直に穴を開けるのが意外と難しく、開けた後で測ると1mm弱中心からずれていた。後から出来るだけ軸が中心になるよう調整してみたが、ブレるのをなくすことはできなかった。

こんな感じの既製品(部品)、ありそうでない

3.フレームを作る

動画では何枚かの合板を切り出して貼り付けて、頑丈で精度が高いフレームを作っていたが、ウッドデッキの廃材(2X4材)がまだ残っているので活用する。購入した替え刃で現物合わせしてみた。

とりあえず土台を付けて現物合わせ
下の方はトリマーで直径22mm弱、深さ7mm程度の円を掘って、ベアリングをはめてみた。上の方は軸を上下に調整できるよう、8mm×40mmほどの穴を開けた。

なんとなく形が見えてきた
後になって気付いたが、土台とフレームが直角に付いていなかった。工作台とノコは直角にしないと使えないので、全体的に斜めに作ってしまった。

4.軸受けを作る

後から正転しかできないドリルが入手できたとしても活用できるよう、ドリルは手前に付けることにした。下の方の軸の角度は固定でよさそうだが、上の方は少しだけ傾きが調整できるように作るのがよいみたいなので、後から試行錯誤できるように作った。

軸(寸切ボルト)を通して取り付け位置を調整
上下同じような感じだが、下の方はウッドデッキ廃材で7cmほど間隔を開けて軸の直角を見ながらベアリングをはめた合板をネジ止めした。上の方はウッドデッキ廃材で6cmほどの間隔を作り、ベアリングをはめた合板を両側からネジ止めする格好とした。

試行錯誤しながら作る
上の方は上下に調整できるよう、寸切ボルトを適当な長さに切って、レンチで調整できるようにした。上のプーリーの角度の調整が必要になったらベアリングをはめた合板の取付位置を調整するつもりでいたが、今のところ1度決めた位置から調整せずに済んでいる。

上のプーリーに下向きの力がかかると、軸の下側が後ろにそれてしまうので、そうならないよう固定できて、上下調整時は緩めることができるような押さえを後から付けてみた。

捨てきれずにとっていたネジ類が活躍

5.ノコのガイドを作る

切断するときにノコが押されて後ろに外れないようにするために、最低でも下のプーリーの直近に鋸刃のガイドが必要で、横にブレるのも抑えられた方がよい。ベアリングは潤沢にあるので、3個使って下のガイドを作った。

ベアリングが付けば調整でなんとかなる
また、曲線を切ったりするときには刃が左右にたわむので、ベアリングもたくさんあることから上の方にも同じようなガイドを作った。厚い材料も通せるよう、ガイドの位置が上下に調整できるように作ってみた。

このガイドのおかげで作業台と刃の直角が出せた
当初、上のガイドの調整ネジは2か所付ける予定だったが、寸法を間違ってしまい1か所にしたところ丁度いい感じに直角(ガイド位置の左右)が調整できるようになったのでそのままとした。

同じ種類の100均取っ手が3つ出てきたので合わせた

6.作業台を作って完成させる

余った合板の最大幅で台を作った。左右のグラつきは無いが、前後にグラつくので、支えを一枚追加すると安定した。

ガイド部分のはみ出しはグラインダで削って平らにした
台を取り付ける際に、ノコの通り道を切らないといけないので、後から脱着しやすいようにネジ止めした。

たまたま斜めに切られた材が丁度合った
鋸刃とドリルを装着し、実際にバンドソーを動かして作業台のノコの通り道を切る。プーリーがブレるので安定しなかったが、一応切ることができたので作業台を装着して完成。

面白くていろいろ切ってしまった

7.試し切りしてみる

とりあえず当初の目的は達成できそうなので、いろいろ試し切りしてみた。

パズルのようなものが作れそう
小さなドリルの動力・回転数では、切るのに時間がかかるだろうと思っていたが、鋸刃が新しいこともあってか、意外にスイスイ切れる。

剪定した木の断面もキレイ
かまぼこ板が作れそう
合板のようにサクサクとは切れないが、堅めの木材も思い通りに切ることができるので楽しい。

あまり散らからないので、机の上でも使う気になれる
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